キミが望むのなら
「ど、どうして、今頃そんな話するの……?あの子と付き合い始めたから……?」
「っ……」
否定できない。
桃香と出会って、恋に落ちたから、あの時の由佳の気持ちが今なら理解出来た。
「ごめん……」
「謝らないでよっ!!」
涙声でそう言う由佳に、何も言えなくなった。
「そうだよ。悠君からさよなら言われた時は、凄く悲しかった。ずっと別れたことを後悔してほしいって思ってた。でも……だからって……」
「……」
「それを気付かされて後悔するのが、他に好きな人が出来たからなんて理由じゃ……」
「由佳……」
桃香を好きになって、今更由佳の気持ちを理解した俺。
由佳にとって俺は、とても残酷なことを言ってしまったのかもしれない……
「ごめん……由佳」
「やだっ!!やだよっ!!あたし、まだ悠君が好きなのっ!!」
「ちょっ!由佳っ!!」
ギュッと俺に抱き着いてきた由佳。
「なんで?なんであたしじゃないの!?あたしの方が悠君を理解できるし、ずっと好きでいたのにっ……」
「由佳……」