キミが望むのなら
*第5章*
バイバイ‐桃香Side‐
「鈴木さん、丁度よかった。今から時間あるかしら?」
「あっ、はい」
美樹と昼食を食べ終って、飲み物を買いに行った帰りに、担任に呼び止められた。
「ちょっと行ってくるね」
「了解ぃ~~」
美樹に買ったばかりのアップルジュースを渡して、先生の後についていく。
どこに向かうかなんて分かってる……
「どうぞ。中に入って」
「はい……」
先生がドアを開けて、中に入るように促す。
はぁ―……この部屋、あたし嫌い。
だってこの部屋っていかにも……
「じゃあ、進路についてなんだけど……」
進路の話ししかしなさそうだもん……
まぁ、進路指導室だから仕方ないんだけど……
だからって、いかにもっ!って感じの部屋は作らないでほしいよ……
「鈴木さん?聞いてる?」
「え?」
や、ヤバっ……
聞いてなかった……