キミが望むのなら


あたしが……着物を好き……?


「最初は悠君が居るから楽しいのかなぁ~って思ってたけどぉ。でも桃香、悠君の話と同じくらい着物とかの話、してたしぃ~~」



確かに、呉服店のバイトに行くようになって、着物とかに興味を持ち始めたけど……



「だから好きなんだなぁ~~って」


あたしの……好きなモノ。


でも、それって、本当に純粋に好きになったのかな……?


悠君が好きだから、あたしも好きになったなんて……


真剣な悠君に、こんなこと話したら怒られそう……



うぅん。怒られるだけいいよ。


呆れられたら、どうしよう……


「あっ!居た居たぁ~~」


え?


「あぁ!女の子に話しかけられてるよぉ~~」


あっ、信二くんが迎えに来てるのかな……?



「あれぇ?悠くんも一緒だぁ~~!!」


「えっ!?悠君!?」


美樹が駆け寄った場所に、あたしも急いで駆け寄った。


「どうしたの!?悠君も一緒に来るなんて」


「うん、信二が美樹ちゃんを迎えに行くって言ってたから。俺も桃香と一緒に店に行こうかと思って」


「そ//そっか///」


つい顔がほころぶ。


「じゃあ、俺たち行くな―」


「じゃあねぇ、桃香ぁ~~」


手を繋いで、笑い合いながら帰っていく美樹たち。




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