キミが望むのなら


「なぁ、桃香。お前何を勘違いしてんだよ」


「あ……つし」


「お前は、俺の言うとおりにしてればいいんだよ」


「っ……」


これが篤志の本性だ。


力であたしをねじ伏せようとする、この篤志が。



「お前みたいな普通の女が、俺に意見するな」


体が自分の体じゃないみたいに、震える。


「ほら、来い」


グイッと腕を引っ張られて、そのまま投げ捨てられるようにベットに倒された。



「桃香。お前みたいな、なんの特徴のないやつ、誰も相手してくれねぇよ?」


「っ……」


「だから、お前は俺の言うことだけ聞いとけ」



ニッコリ笑う篤志を見ながら、小さく首を縦に振った。


そうしないと、次はあたしが殴られると思ったから……



そんなあたしを見て、篤志は満足そうに笑い、あたしに覆いかぶさってきた。




この日あたしは初めて、恐怖の中で抱かれた―……






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