キミが望むのなら


「桃香はどこに行きたい?」


「あ……あたしは悠君とならどこでも」


出来もしない約束をするあたしは、残酷だ。


「……桃香」


「……ん?」


「それって狙ってるの……?」


「え?」


「俺とならどこでも……なんてさ」



嬉しそうに……


でも、どこか恥ずかしそうなその顔。



「狙ってなんかないよ。本当にそう思ったの」


本当に……


悠君といれるなら、どこでもいい。


どこでも……



――ギュー


「ゆ//悠君///?」


「あぁ―……もう!マジ可愛い!!」


「へっ!?///」


引き寄せられ、そのまま強く抱きしめられる。


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