キミが望むのなら
「バカっ///」
ボソッと呟く。
「うん。桃香の前ではバカでもいいかも」
そう言ってもう一度嬉しそうに、ギュッと抱きしめてくる。
そして、そっと近づいてくる唇。
あたしもゆっくりと瞳を閉じ、唇を重ねた。
「桃香……ずっと一緒に居ような……」
「っ……うん」
また嘘をつく。
本当の言葉を何個も飲み込んで、嘘をつき続ける。
「じゃあそろそろ帰るか」
「え……」
ベンチから立ち上がった悠君。
とっさに本当の気持ちが、言葉として出た。
「ん?どうした?」
「う、うぅん!なんでもないっ!!」
ニコッと必死に笑顔を作って、あたしもベンチから立ち上がる。
「今日はここでいいよ!」
「え?家まで送るよ?」
「大丈夫。悠君も明日の為に体休めないと」
「……本当に大丈夫?」