キミが望むのなら
―――――――――――……
「……」
逃げるようにして、篤志の家を出てきた。
家を出るまで、息ができないくらい苦しかった。
音を立てず、静かに……
篤志が起きないうちに、ここを出ないと……
それしか頭に出てこなかった。
「はぁ―……」
深く息を吐いて、空を見上げる。
怖かったのに……
ツラかったのに……
全然涙は出てこなかった。
これがあたしの運命なんだ……なんて、納得している自分もいた。
こんなものなんだろう。
あたしの人生なんて。
諦めの気持ちはあるのに、心が苦しい。
そんなあたしが助けを求めるように行った場所。
先ほどいた子供たちは一人も居なくなっていて、シーンとした空気が公園を包み込んでいた。