キミが望むのなら
いつ見ても、あたしには似合わないウサギだな―……
クリクリとしたその瞳を見て、微笑みかけた。
「桃香っ!!」
「え?美樹っ!?」
「桃香ぁ~~」
――ギュウ
……美樹。
「美樹ねっ!本当に桃香が好きなのっ!!美樹が入学して、誰も友達がいない美樹に、笑いかけてくれたのは桃香だけだった」
強く抱きしめられながら、そう伝えられる。
「桃香だけだった……。本当のあたしを見てくれる人は……」
「美樹っ……」
強く抱きしめ返す。
「イヤダよぉ~~、行かないでよぉ~~。美樹、桃香と離れたくないよぉ~~」
「美樹っ、大丈夫だよ。本当の美樹を見てくる人、出来たでしょ?信二君はちゃんと美樹を見てくれるでしょ?」
「桃香ぁ~~」
「ありがと、美樹」
ずっと思ってた。
なんでこんな普通のあたしに、美樹が興味を持ったんだろう?って……
でも、理屈じゃないのかもね……?
あたしと美樹は、出逢った瞬間からこうなることが決まってたのかもね……
「桃香……悠君には……?」
「……」