キミが望むのなら
もう、ロービ―も見えなくなる。
あたしのバックとぬいぐるみもそっと、かごに入れた。
「ふぅ―……」
深く息を吐いて、搭乗口をくぐる。
「……か、桃香っ!!」
……え?
今……
「桃香、行くぞ」
「あっ……うん」
気のせい……だよね……
ダメだな……あたし。
悠君の声が聞こえるなんて……
そんなわけないのに―……
……悠君。
どうか、元気で。
幸せになってね。
でも、望むのなら―……
――誰のモノにもならないで……