キミが望むのなら
そんな信二がわざわざ会いたいなんて言うから、なんかあると思ってたけど……
「そろそろ……あっ!来た来た!!」
信二が手を振ると、それに気付いたように嬉しそうに駆け寄ってくる女の子。
「久しぶりぃ~~悠君♪」
「美樹……ちゃん?」
「そうだよぉ~~」
少し大人っぽくなっているけど、話し方や笑顔は、あの頃とほとんど変わらない。
2人がずっと付き合っているのは知っていたけど、会うのは久しぶりだ。
「悠君も相変わらずカッコいいねぇ~~。信二君の次にっ」
「あはは、ありがと」
この2人のラブラブも健在だな。
「それにしても本当に久しぶりだねぇ~~」
「あ、うん」
信二の隣に座って、ニコッと笑う。
「あの時以来だもんね……」
「……そうだね」
桃香が居なくなったあの日、美樹ちゃんが俺に事情を話した。
それからなかなか美樹ちゃんに会うこともなかったから、本当に久しぶりだ。
「それで、わざわざ2人揃って何?」
改まってするような話なのか……?