キミが望むのなら
桃香と出逢って、いろいろと俺の中で変化があったよな……
そういえば、桃香は大丈夫かな―……
なんか昨日は元気がないような気がした。
強がっているような……
……気のせいかもしれないんだけど。
「悠さんの挨拶は昼過ぎですから、それまでに準備をしていてくださいね」
「はい」
じゃあ、着替えるのはもう少し後でいいな……
なんておばあ様の出ていく後ろ姿を見ながら、そう思った。
……桃香、今何してるかな……?
電話したら、ダメだろうか……?
何でか昨日のことが気になり、携帯を手に取った。
なんとなくここでは話しにくくて、店の外に出る。
着信履歴から桃香の電話番号を出して、通話を押そうとした、その時……
「悠君っ!!」
「……え?美樹ちゃん?」
通話を押す手が止まる。
「どう……」
「今すぐ空港に言ってっ!!」
「……え?」
息も切れ切れに、苦しそうにそう言った美樹ちゃん。