キミが望むのなら
「昔さ、悠君があたしに聞いたじゃん」
「え?何を?」
「ほら、あれだよ。『キミの夢はなに?』ってやつ」
「あぁ―……そう言えば、そんな質問したな」
自分の人生を恨んで、同じような瞳をしていた桃香に投げかけた質問。
「あの時さ『夢を持たないなんてつまらないな』って言ったじゃない?」
「そんなこと言った?」
「言ったよっ!!」
本当はしっかり覚えている。
桃香のこと何も知らずに、ただ夢を持てるのに無いって言った桃香が少し憎らしくて、そんなこと言った。
今考えると、バカみたいな考えで恥ずかしいんだけど……
だから、忘れたふりをしていよう。
「それさ、今考えるとその通りなんだよね」
「え?」
「夢って、持つと楽しいね!」
――ドキッ
今でもこの笑顔に、俺は弱い。
可愛くて仕方ないんだよね……
「叶わないかもしれないけど、夢を持つと凄く楽しい!それに、夢のその先の夢も出来るんだよね!!」
「夢のその先の夢?」