キミが望むのなら
美樹の恋の扉‐美樹Side‐
「ちょっ!美樹!!どういう意味だよ!!」
「だぁ~かぁ~らぁ~、もう別れよう?」
「は!?別れようってなんで!?」
「ん~ドキドキしないんだもん♪」
「……え?」
「じゃあねぇ~~」
ポカーンと間抜けな顔をしている彼氏を置いて、あたしはその場を去った。
あっ、違った。
彼氏じゃなくて元彼だった。
多田美樹、17歳。高校3年生。
進学やら就職やらで悩み始める今日この頃。
でもあたしは就職やら進学やらで悩んでいたりはしない。
だってそんなもの、どうにかなるでしょ?
それより今は、今しかできないことをしなくちゃ。
せっかく女子高生なんだから、恋をしないでどうするの?
って、恋ってなんだろう……?
『今度こそ』って思うのに、なかなか恋を見つけることが出来ない。