キミが望むのなら
「ってか、来月だったよな。悠たちの結婚式」
「うんっ!」
来月、あたしの親友も結婚する。
遠距離恋愛になりながらも、ずっと愛を育んでいた桃香と悠君。
そんな2人の恋がやっと実を結ぶ。
「神前だろ?」
「そうみたい。悠君も桃香も呉服店で働いているからねぇ」
引っ越してすぐに、着物について勉強を始めた桃香。
夢に向かって、桃香は前に進んだ。
その決断の話を聞いた時は、驚いたけど納得した。
悠君の夢は、いつか桃香の夢になるような気がしていたから……
「あれだろ。桃香ちゃんの着物、全て悠が選んだんだろ?」
「みたいだねぇ~。悠君がどうしても見立てたいって言って聞かなかったみたい」
紺野呉服店の立派な4代目になった悠君に見立ててもらえるのは、桃香も幸せなことだろうけどね♪
「来月が楽しみだなぁ~。きっと素敵な結婚式なんだろうねぇ~~」
「あ、のさ、美樹」
「ん?」
「俺たちの結婚式は教会でしような」
「……え?」
「ちゃんとこの子が生まれてから、結婚式あげよう」
「っ……」
ギュッと強く握られる手。
「うんっ!!」
そんな手を、あたしも強く強く握り返した―……
~MikinoKoinoTobira*End~