キミが望むのなら


ここが俺の落ち着く場所の一つ。


そしてもう一つが、さっきまでいた公園。



1年前から、あの公園で夜空を見上げるようになった。


……何をするわけでもない。


……何を考えるわけでもない。


ただ、夜空を見上げた。



真っ暗な夜空―……


星が輝く夜空―……


今日みたいに、満月の月が輝く夜空―……


そんな変化が、俺にとっては『日常の変化』を感じさせてくれた。



毎日毎日、何の変化もない日常。


朝起きて、学校行って。


帰ってきても毎日忙しくて……


そして疲れて、眠るだけ―……



そんな日々を過ごしていると、自分が自分でないような……そんな恐怖に襲われた。



周りはどんどん前に進んでいるのに、俺だけそこで足踏みをしているような気がした。



だから、あの公園で確認してるんだ。


俺の瞳に夜空を映して、俺が生きていること。

 

俺の1日が終わって、また明日が来ることを……





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