キミが望むのなら
「ないといけないなんて、俺が言えることじゃないけど。夢を持つことができることは、きっと幸せなことだと思うよ」
とても幸せなことだと……
「じゃあ、俺は帰るね」
「あっ……」
彼女をベンチに残したまま、俺は薄暗い公園を後にした。
「あれ?悠くん……?」
公園を出てすぐに、俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。
「……由佳」
「どうしたの?こんな時間に」
「由佳こそ、出かけてたのか?」
「あ、うん。あたしはそこのコンビニに」
そう言って、笑顔で俺に袋を見せた。
「またアイスか?」
「……え?」
「由佳好きだっただろ。コンビニにしか売ってない、アイス」
この時間にわざわざ買いに行くなんて、相変わらずだな……