キミが望むのなら
そんな風に助けられたら、気になるかもしれない……
「だからぁ~、今日はその時のお礼も兼ねて、少しでも仲良くなろうと思ってぇ~~」
頬をほんのりピンクに染める美樹は、女のあたしが見ても可愛いと思う。
それに比べてあたしは……
容姿は悪くもなく、よくもない。
頭も、中の中くらい。
これといった特技もなく、将来への夢も特にない。
つまり、普通の女の子。
そんなあたしになぜ美樹が声をかけたのかは、未だに不明だ。
「ねぇ、桃香ぁ~。ここで待ってよぉ~?」
正門の端に立ち、ウキウキしたように中を覗き込む美樹。
同じくここも授業が終わったばかりなのか、ぞろぞろと高校生が出てくる。
なんか……注目されているような……
通り過ぎる人たちが、チラチラとあたしたちを見ながら通り過ぎていく。
それもそのはず。
違う制服の子が、こんな目立つところに立っているんだから。