キミが望むのなら


「あっ、篤志君にはあたしから事情話すよ~?」


――ビクッ


「桃香ぁ?」


「うぅん!!いいの!!自分で話すから!」


「そう?じゃあ日程決まったら、また教えるねぇ~~」


「う、うん……」


話せるわけない……


こんなこと……




あの日から……


篤志が、あたしを無理やり抱いた日から、あたしは篤志が怖くてたまらない。


無言の威圧感に、何度も押しつぶされそうになる。



それに、束縛も激しくなった。


携帯は勝手に見られるし、男の名前なんて入っていたら、その場であたしに消させる。


このところ、放課後になれば、篤志の部屋に呼ばれる毎日……



無言で携帯をチェックされ、そしてあたしを押し倒す。


その繰り返し……


しかも朝あたしが部屋にいないと、狂ったように電話とメールが鳴りやまない。



これは束縛の域を超えている。




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