キミが望むのなら
……本当に美樹は、本物の恋を見つけたのかもしれない。
「よしっ!完成ぇ!!」
『はい』と渡された手鏡を見る。
「う~ん」
「ねっ♪可愛いでしょ?」
「そうかな。ちょっと派手じゃない?」
確かに可愛いけど、それはメイクが……
普段はほとんどメイクしないから、とてもメイクが映えている気がする。
「派手じゃないよぉ~。桃香はメイクをあまりしないから、そう思うんだよぉ。すごいナチュラルメイクなのに~~」
まぁ、美樹からしたら、これはナチュラルになるんだろうけど……
「よしっ!!これで準備完了ぉ~~!今日こそ信二君を振り向かせるんだから~~!!」
美樹はやる気満々だ。
「あっ、桃香ぁ。信二君もお友達連れてきてくれるみたいだけど~~」
「そりゃあ、ダブルデートだしね。そうだと思ってたよ」
「だよね~。でもどうするぅ~~?信二君のお友達がカッコよかったらぁ~~?」
またバカみたいなことを……