キミが望むのなら


「たとえ、カッコよくても関係ないよ」


あたしは興味ないし。


「そうだよねぇ~、だって桃香には篤志君がいるしねぇ~~」


「っ……う……ん」


篤志の名前が出てくるだけで、言葉が詰まる。



「それにしてもぉ、篤志君もよく許してくれたよね~~」


「あっ、そうだね……」


本当は言ってない。


言えるわけない。


今日は美樹と買い物に行くと言って、篤志の家を出てきたから……


篤志は、このことを知らない。



「篤志君、心が広いんだろうねぇ~。いい彼氏だねっ♪」


「そう……だね」


大丈夫。


バレたりなんかしない。


黙っていればバレない。



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