キミが望むのなら
しかも……
「まだかなぁ~~?」
気になっている彼に会うために、いつも以上にかわいい美樹がここに立っているのだから……
きっとさっきから頬を染めて通り過ぎていく男子生徒は、美樹の可愛さにやられてのことだろう……
「あっ!!桃香ぁ、彼!彼だよっ!!」
グイグイと興奮したように掴まれる腕が痛い。
『はいはい』と美樹をなだめながら、その噂の彼を探す。
「うわっ!こっち来る!!」
それはそうでしょ。
だってここを通らないと、帰れないんだから……
「ほら、話しかけるんでしょ?」
「っ!!やっぱり無理かもぉ。桃香、代わりに声かけてきてぇ~~」
……こいつは。
「甘えてもダメっ!声かけないなら、もうあたし帰るよ」
「うぅ~~、桃香の意地悪ぅ~~」
なんとでも言え。