キミが望むのなら
「ご、ごめん……」
彼はあたしを見て、一瞬顔色を変えたけど、すぐに優しい笑顔を向けた。
「“初めまして”。紺野悠です」
――“初めまして”
この声は間違いない。
彼は……
あの公園の彼だ……
「は……じめまして」
声が震えるのは、戸惑いなのか……
それとも……
明るい中で、初めて彼を見たからなのか……
「じゃあさっそくだけど、映画でも行く?」
「うんっ♪」
信二君の言葉に、嬉しそうに頷く美樹。
そしてあたしたちの前を、仲良さそうに歩きだした。
「ほら、俺たちも行こう」
「う、うん!!」
突然彼に言葉をかけられて、少し声が上ずった。