キミが望むのなら
「悠君はどれがいい?」
「じゃあ俺は……」
それぞれ決めて、注文した。
注文して運ばれてきた料理を食べる悠君は、さっきと同じで優しい雰囲気の悠君だった。
「この後はどうする?どこか行くか?」
ご飯を食べ終わって、そう言いだした信二君。
この後か……
映画観たら、帰るってわけじゃないのね……
「じゃあ、ここから別行動にしないか?」
「「え?」」
悠君のその提案に、あたしと信二君が言葉をハモらした。
「ね?美樹ちゃんはそれでどうかな?」
「う、うんっ!!別行動にしよっ♪」
これまた嬉しそうに頷く美樹。
美樹にとっては、これは大チャンスだ。
「じゃあ信二、俺ら先に出るな」
「は!?ちょっと待てよっ!!おいっ!悠!!」
信二君の呼び掛けには一切答えず、あたしの手を引いて代金を払い、ファミレスを出たあたしたち。