キミが望むのなら


「悠君はどれがいい?」


「じゃあ俺は……」


それぞれ決めて、注文した。


注文して運ばれてきた料理を食べる悠君は、さっきと同じで優しい雰囲気の悠君だった。



「この後はどうする?どこか行くか?」


ご飯を食べ終わって、そう言いだした信二君。



この後か……


映画観たら、帰るってわけじゃないのね……


「じゃあ、ここから別行動にしないか?」


「「え?」」


悠君のその提案に、あたしと信二君が言葉をハモらした。



「ね?美樹ちゃんはそれでどうかな?」


「う、うんっ!!別行動にしよっ♪」


これまた嬉しそうに頷く美樹。


美樹にとっては、これは大チャンスだ。


「じゃあ信二、俺ら先に出るな」


「は!?ちょっと待てよっ!!おいっ!悠!!」


信二君の呼び掛けには一切答えず、あたしの手を引いて代金を払い、ファミレスを出たあたしたち。




< 76 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop