キミが望むのなら
「ほら、いいの?彼、通り過ぎるよ」
「うわっ!!ダメダメぇ~~」
焦ったように、その彼の方に走り出した美樹。
って!なんであたしまで連れていかれてるのよっ!!
あたしの腕を掴んだまま走り出した美樹のせいで、その彼の元にあたしまで行くはめに……
「あ、あのぉ~~」
「えっ?俺?」
はぁ―……マジ勘弁してよ……
あたし関係ないじゃん。
そんなあたしを無視して、美樹が話し始める。
「あたしのことぉ……分かりますかぁ~~?」
はい、きた。
美樹の得意の上目遣い。
「あ―…うん。分かるよ。コンビニでナンパされてた子でしょ?」
「えっ!?覚えててくれたのぉ!?嬉しいっ!!」
満面の笑みを彼に向ける。
しかもさりげなく、ため口になってるし……