キミが望むのなら
「あの、今なんて……?」
うまく聞き取れなかった。
「いや、なんでもないよ。それより、あのぬいぐるみ可愛くない?」
「へ?あっ、うん。可愛い……」
あたしの背中側にあるUFOキャッチャ―。
その中にある、確かに凄くかわいいウサギのぬいぐるみ。
首元にピンクのリボンが結び付けてあって、目はクリクリとしている、とても可愛いぬいぐるみ。
「よし!」
悠君が隣で意気込んだかと思えば、迷いもなく財布から200円取り出してコインを入れた。
すごく楽しそうな悠君。
そんな悠君を見てると、あたしも楽しくなった―……
「あっ!また落ちた!!」
これで5回目の挑戦。
さっきからずっと挑戦しては失敗してる。
そんなに、このぬいぐるみが欲しいのかな……?
「おっ!よっしゃ!!」
6回目の挑戦で、やっと手に入れたそのぬいぐるみ。
ふふっ、本当に嬉しそう……