キミが望むのなら
「はい」
「はい……?」
あたしの目の前に差し出された、ぬいぐるみ。
意味も分からず、聞き返してしまう。
「あげるよ、それ」
「えっ!?でも悠君が頑張って取って……」
「元々あげるつもりで取ったんだし。それに俺はぬいぐるみを集める趣味もないしね」
ははっと笑って、そのぬいぐるみをあたしに手渡す。
ふわっとしているそのぬいぐるみは、とても肌触りが良かった。
「いい……の?」
「どうぞ」
「っ!ありがとっ!!」
「……っ」
子供みたいに、嬉しくなってそのぬいぐるみを抱きしめた。
「そんなことでこんなに喜んでくれるんだ……」
「え?」
「いや……。それより、ここは話しにくいし、外に出ようか?」