キミが望むのなら
先ほどのファミレスのように、悠君に手を引かれて、ゲームセンターを出たあたしたち。
たださっきと違っていたのは……
ゲームセンターを出てからも、その手は握られたままだということ……
ドキドキと高鳴る鼓動が、あたしの手を通じて悠君に届かないか……?
それだけが心配だった。
「あの……本当にありがとう。ぬいぐるみ……」
「いいよ。でも一発で取れれば、もっとカッコよかったんだけど」
いたずらっ子みたいな笑顔で、ニコッと笑った悠君。
「あんなに必死になってたから、悠君が欲しいのかと思ってた……」
「え?俺が?」
「う、うん……」
「ははっ!ないない!!さっきも言ったけど、俺にそんな趣味はないよ。本当に面白いな。桃香ちゃんって」
……え?