キミが望むのなら


――『桃香ちゃんといてもつまらない』


幼少の頃に、仲の良かった子に言われた一言。



特に深い意味はなかったのかもしれない……


でも、幼いながら、あたしの心にはとても深い傷ができた。



それは大きくなっても同じで……


――『お前みたいな、なんの特徴もないやつ、誰も相手してくれねぇよ?』


彼に言われても、昔ほどは傷つかなかった……


胸は痛くなったけど、心のどこかで……


『あぁ、やっぱりな』


と思う自分もいた。



そんなあたしのそばにいてくれた美樹。


美樹がなんであたしのそばにいてくれるかは分からないけど、あたしはそんな美樹が本気の恋をしたなら協力してあげようと思った。


ただ、それだけのことなのに……





悠君はそんなあたしを、魅力的だと言ってくれるの……?








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