キミが望むのなら
「あっ、それにさ、人一倍気使いのできる子だとも俺は思うよ」
「え?」
「本当はゲームセンター苦手でしょ?」
「っ!?」
見透かされてた!?
「なのに、俺に付き合ってくれたんだよね?」
「いや、その……」
「ありがと」
っ……
もう、本当にこの人は何者なの?
あの満月の夜から、あたしの心をどんどん奪っていく。
たまに切なく笑ったかと思えば、今日みたいにいたずらっぽく笑ったり。
冷たいかと思えば、今日みたいに優しかったり……
本当の悠君は、一体どれなの?
なんで、あの寂しそうな瞳で満月を見てるの?
なんで、切なそうに笑うの?
なんで……あたしの心を温かくしてくれるの?
なんで……
知りたい……
悠君のこと、もっと知りたい……