キミが望むのなら
「は!?お前には関係ないだろ!人の女に手を出しといて……」
「だから違うのっ!!あたしが全部悪いのっ!!」
このままじゃ悠君が……
「チッ!桃香!!行くぞっ!!」
あたしの腕を引いて歩き出そうとする篤志。
「ちょっと待てよ!!」
そんなあたしを心配してか、悠君があたしの腕を掴む。
「悠君、大丈夫だから……。ごめんね……ありがと……」
そっと悠君の手を離し、あたしたちはその場を去った。
後ろは……もう振り向けなかった―……
――バンッ
荒々しく閉められたドア。
連れてこられたのは、やっぱり篤志のアパート。
密室のこの空間が、さらにあたしの恐怖を煽らせた。
「なぁ、桃香……」
――ビクッ
「お前、何してんの?」