キミが望むのなら
バレバレだっつーの。
なんだかんだ言って、美樹ちゃんと連絡を取っているのがその証拠。
まぁ、そんなこんなで、休日のこの時間帯に来ているんだけど……
……信二たち、どこにいるんだよ。
なかなか見当たらない信二を探す。
これだから嫌なんだよ。人混みは……
電話でも……ん?
あっ、いた。
こっちに向かって手を振る信二が見えた。
そこにいたのか……
結構近くに居たのに、気付かなかった……
信二の元に行き、そこにいる人を見て息を飲んだ。
「悠、この人が多田美樹ちゃん。それでえっと……」
「美樹の親友の鈴木桃香だよ~。今日はよろしくね♪」
鈴木桃香……
初めて聞く、彼女の名前。
まさか、こんなところで会うなんて。
柄にもなく、運命的だと思ってしまった。
俺が驚いたと同じように、彼女も動揺を隠しきれてなかった。