キミが望むのなら
「それにしても、俺たちは必要ない感じだよね……」
「え?」
俺が話を変えた。
「確かに……。2人で盛り上がってるみたいだし」
「本当に信二のこと、好きなんだな……」
「え?」
「美樹ちゃん」
「あっ、そう……みたいです」
敬語……?
「ふっ……俺も高3だから、普通に話そう?」
「う……ん」
確か、俺らと同じ学年だと信二が言ってたよな?
「俺としては、早く信二に幸せになってほしいんだけどね……」
「あたしも、美樹には幸せになってほしい」
そういう彼女の顔は、本当に美樹ちゃんを大切に思っていると思った。
「えっと……桃香ちゃんって呼んでもいいかな?」
「あっ、はい……」
ずっとこのままじゃ話しづらいし……
「じゃあ俺のことは悠でいいから」
「悠……くん?」
そういうと、少し微笑みながら頷いた。