キミが望むのなら
その後、観に行った映画。
今、流行のラブストーリー。
でもその内容に、少し見入ってしまった。
まるで、数年前の俺と由佳に見えたから。
ただ違うのは、俺が逃げてハッピーエンドにできなかったこと。
そして、映画の彼ほど、俺が強くないということ……だった。
映画館を出ても、その映画の内容が頭から離れなかった。
そのせいで、信二には怒られるし、美樹ちゃんや桃香ちゃんにも、嫌な思いをさせたかもしれないな……
反省、反省……
あれはもう俺の過去なんだから、気にしないようにしよう……
ご飯を食べ終わった後に、これからのことについて話した。
つーか、確実に俺らいない方がよくね?
「じゃあここから別行動にしないか?」
「「え?」」
その提案に、信二たちが口を揃えてそう言った。
「ね?美樹ちゃんはそれでどうかな?」
「う、うんっ!!別行動にしよっ♪」
美樹ちゃんの賛同が確実にもらえると思って、あえて美樹ちゃんに聞いた。
「じゃあ信二、俺ら先に出るな」
「は!?ちょっと待てよっ!!おいっ!悠!!」
桃香ちゃんの腕を引いて、ファミレスを出た。