囚われ姫~星屑は寵姫となりて蝶姫となる~
未成年と知ってなお飲ませようとするさんに根負けしたあたしも、隆史さんの召使さん(?)に軽く頭を下げる。




召使さんも役職こそないが豊浦組のヤクザらしく、“豊浦組のお嬢様”のあたしに頭を下げられ、目を潤ませながら笑った。




「仰せのままに、我がお嬢様」
「お嬢様だなんて…“刹那”で良いのよ?」
「なりませぬ。お嬢様をそのようにお呼びするのは、親方様ー夕俟様とお二人のご家族のみだと、親方様に仰せつかっております」




言うが早いかミステリアスな笑顔を残し、召使さんはキッチンへ走り去る。
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