プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
 息もつけない程、荒々しく絡まり合うキス。
 それだけでは物足りなくなった彼の唇が私の耳を濡らし、首筋に舌を這わせていく。

 潤哉さんの手が内腿を弄り、なぞる指先にジンと痺れて切ない溜息が零れた。

「美羽……愛してる……」
 広い背にしがみついて、荒々しくなる吐息を堪えながら、彼をいっぱいに感じていく。

「んっ………私もっ」

 沿うように身体が馴染んで……そして、溶けてしまうように一つになる。激しく高ぶる熱を放つように……キスを繰り返しながらそのままお互いに昇りつめた。

 下肢が熱く痺れている。覆いかぶさる重みも鼓動も、耳の側で感じる息遣いも、何もかもが愛おしい。

 満たされた後の甘い疼きは、底の見えない愛情を身体全部で感じているから。まだ繋がっていたい余韻で彼を抱きしめたまま動けなかった。

 眠りにつこうとする潤哉さんにぎゅっとしがみついたら、あやすように髪を撫でられた。

 なんだかそうやってやさしく触れられると泣きたくなってきてしまう。そして見つめられると、自然と頬が綻んでいく。

 潤哉さんが言っていたように、生きている尊さと、愛する人が側にいる幸せを、初めてもらった気がする。


< 12 / 137 >

この作品をシェア

pagetop