プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
清水寺で参拝をして安産のお守りをもらって、二人で八つ橋を食べたり京都の町を観光して舞妓さんを見たりした。

 東京なら浅草であるような人力車に乗ってみたり、湯豆腐を食べたり……仕事の合間だと思ったのに、凄く楽しくてたまらなかった。

 一回りして疲れた頃、潤哉さんはチェックインしてきたという宿に連れていってくれた。

「どんな気の回し方をするんだろう、と思ったけどね。市ヶ谷副社長は」

「でも、おかげで楽しかった。きっとミシェルと今頃、楽しく過ごして見送っていると思います」

 暗がりの部屋の中、とてもいいお香の匂いがする。

「やっぱり君は、僕の側にいないと」

 旅館に泊まって、安産のお守りを眺めていると、後ろからぎゅっと抱きしめられて、私はそのままお布団の上に連れて行かれ、寝かされた。

 肌蹴た白い肌は潤哉さんからのキスでたちまち朱に染まっていき、知らずに甘い吐息が零れた。

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