プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「さっき言った通りだよ。がっかりしなくていいって――」
言いかけたときだった。美羽がドアを開けて、僕へスティックを差し出して見せた。そこにはくっきりと線が現れていた。
彼女が涙を浮かべて泣いていたのは、僕が想像したこととは反対だった。
「嬉しくて」
そこから声にならない美羽を、僕はやさしく抱きしめて、彼女の腹部へそっと触れた。
「まだ、病院に行かなくちゃ分からないけど、でも……」
99.9パーセントの文字がちらつく。
「キミがいるって分かっていたら、もっとやさしく抱いたのに……」
「潤哉さん」
「明日、君は半休をもらって。午後、一緒に病院に行こう」
「でも」
「もちろんすぐに僕は戻らないといけないけど。君はいつも大事なときに僕の側にいてくれた。僕にもそうさせて欲しい」
「……ありがとう。潤哉さん」
「体、冷えるから、おいで」
彼女の細い身体を抱きあげたとき……僕の胸にもせつないような愛しさがこみ上げていくのが分かった。
大切にしたいと思うのはただ一人だけだと思っていた。でもこれからは……二人だ。
新しく芽生えた、僕と美羽の子は、どんな風に育っていってくれるだろう。
言いかけたときだった。美羽がドアを開けて、僕へスティックを差し出して見せた。そこにはくっきりと線が現れていた。
彼女が涙を浮かべて泣いていたのは、僕が想像したこととは反対だった。
「嬉しくて」
そこから声にならない美羽を、僕はやさしく抱きしめて、彼女の腹部へそっと触れた。
「まだ、病院に行かなくちゃ分からないけど、でも……」
99.9パーセントの文字がちらつく。
「キミがいるって分かっていたら、もっとやさしく抱いたのに……」
「潤哉さん」
「明日、君は半休をもらって。午後、一緒に病院に行こう」
「でも」
「もちろんすぐに僕は戻らないといけないけど。君はいつも大事なときに僕の側にいてくれた。僕にもそうさせて欲しい」
「……ありがとう。潤哉さん」
「体、冷えるから、おいで」
彼女の細い身体を抱きあげたとき……僕の胸にもせつないような愛しさがこみ上げていくのが分かった。
大切にしたいと思うのはただ一人だけだと思っていた。でもこれからは……二人だ。
新しく芽生えた、僕と美羽の子は、どんな風に育っていってくれるだろう。