プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
病院の検査を終えた後で、7週目に入っていることが分かった。
今の医療の進歩は素晴らしく、白黒のエコーだけではなく3Dや4Dといって内部の状態をはっきりと知ることが出来るようだ。
まだ形ははっきりと見えないが、確かにそこには命の姿があった。
共に喜びを分かち合った時、僕は美羽のその時の表情を忘れることは出来ない。
本社に戻って会議を終えたあと、僕の上機嫌を悟ったのだろう、市ヶ谷副社長がニヤついた顔でひっそりと声をかけてきた。
「……ようやくおめでた、だそうで」
「公表していないことを、喋られると困りますよ。また妙な騒ぎになるのは避けたい。彼女を守る責任があるんですから」
僕が牽制の意味で言うと、彼は肩を竦めた。
「当然。こちらも弱味を握られてるわけですし。京都へ行った甲斐があったんじゃないか、っていうことですよ、社長」
市ヶ谷副社長は言って、彼の秘書と共にエレベーターへと向かった。
確かに、美羽も同じことを言いそうだな、と彼女の笑顔を思い浮かべる。
僕の内ポケットの中には、医師がくれたエコー画像のうちの一部が入っている。
喜びはまた帰ってから、彼女と一緒に分かち合いたい。
誰にも見られることなく、とがめられることもなく、二人きりで。
午後に新しいカタログのサンプルを眺めながら、美羽とお腹の子のことを想った。
今の医療の進歩は素晴らしく、白黒のエコーだけではなく3Dや4Dといって内部の状態をはっきりと知ることが出来るようだ。
まだ形ははっきりと見えないが、確かにそこには命の姿があった。
共に喜びを分かち合った時、僕は美羽のその時の表情を忘れることは出来ない。
本社に戻って会議を終えたあと、僕の上機嫌を悟ったのだろう、市ヶ谷副社長がニヤついた顔でひっそりと声をかけてきた。
「……ようやくおめでた、だそうで」
「公表していないことを、喋られると困りますよ。また妙な騒ぎになるのは避けたい。彼女を守る責任があるんですから」
僕が牽制の意味で言うと、彼は肩を竦めた。
「当然。こちらも弱味を握られてるわけですし。京都へ行った甲斐があったんじゃないか、っていうことですよ、社長」
市ヶ谷副社長は言って、彼の秘書と共にエレベーターへと向かった。
確かに、美羽も同じことを言いそうだな、と彼女の笑顔を思い浮かべる。
僕の内ポケットの中には、医師がくれたエコー画像のうちの一部が入っている。
喜びはまた帰ってから、彼女と一緒に分かち合いたい。
誰にも見られることなく、とがめられることもなく、二人きりで。
午後に新しいカタログのサンプルを眺めながら、美羽とお腹の子のことを想った。