プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「女の子か」
「うん。大事なところ隠していないのと、顔つきから女の子じゃないかなって」

 ほぼ確定だけど、断定はしないでおく、という医師の話を伝えると、
「そっか……」

 潤哉さんは目を細めるようにして、エコーの写真を捲った。

 私はこのときの彼の表情が好き。私を見つめてくれてるとき以上に、幸せな気持ちになれる。

 あと少ししたら産休そして育休に入ることが決まっていて、今私は社長秘書の引継ぎと新人教育係を担当している。

 潤哉さんは相変わらず忙しく、ロンドンと日本とで新コレクションの成功を収めたあと、新たなプロジェクトを立ち上げた。

 市ヶ谷副社長にプロジェクトの責任者を任命したのを見届ける、会議のあと、市ヶ谷副社長から、早速からかわれてしまった。

『仕事よりも気がかりな人がいるから、重要なことは全部僕に預けてくる』と。

 もちろん潤哉さんはその気じゃないと……思うけど。
 お腹が大きくなるにつれ、前以上に気にかけてくれてるのはたしか。




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