プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「どんなのがいいんだろうな」

 難しい顔をして、潤哉さんがそう呟く。

「え?」
「君には一番に着せてあげられたけど」

 潤哉さんの言おうとしていることを察して、ちょっと待った、と立ち止まる。

 もう1メートルもないところにカフェの看板が見えてきていたのだけれど、それよりも今の発言!

「………」
「どうしたんだ、美羽」

 どうしたんだ、はこっちのセリフ。もちろん、純粋な気持ちだっていうことは分かるし、素敵だな、と一瞬思ったけど。なんか違う方向も透けてみえてしまったのだ。


「あの、もしかしてベビー服のこと、ですよね?」
「そうだけど。もっと大人になったらランジェリーでもいいけどね」

 とにかく彼の束縛は激しい。どこまでも自分の手元に置いておかないと気が済まない。

 この分だと、もしも娘が生まれたら……想像するとちょっと怖い。



< 133 / 137 >

この作品をシェア

pagetop