プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「ありがとう。そういう気配りはやっぱり君だからだね。だけど正直ミシェルは煩わしいよ」

「潤哉さんがそんなこと言ったら、大変です」
 ぞっとしたように美羽が言うので、僕は苦笑した。

「ここだけの話さ。それよりも、こっちにおいで」
 僕は彼女の細い腕を引っ張り、ベッドに寄せた。

「んっ」
 キスをねだると柔らかい唇がピクリと小さく反応をする。大きめの零れそうな瞳が潤んで、僕を受け入れる。

 たどたどしい舌が必死に絡ませる様が可愛くて仕方ない。ただキス一つで僕は……彼女をもっと深く愛したくなる。

 貪るように絡めながら、癖のように胸や背を愛撫すると、美羽が切なそうに睫毛を震わせた。

 唇を放して彼女を見つめると、彼女の瞳はさっき以上に、微熱を灯したように揺れていた。

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