プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ

『潤哉さん……おねがい、して』
『……要らない。もう……君のぜんぶが、欲しいんだ』

 一度で果てて終わったわけじゃなかった。何度そうしてもイクことは出来ても満たせなかった。

 何度も、何度も、彼女の中で果てた。身体を繋げるだけでは足りない何かが僕を突き動かした。彼女を僕のすべてで染めてしまいたい欲求が……。

「いくらシテって言っても、してくれなかったんだから」
「君が、欲しいって言うから」

「あ、私のせいにする」
「君のせいだよ。じゃなかったら他に誰がいるんだ」

 僕は思わず美羽の手首を掴んで、ベッドに寝かせ覆いかぶさった。美羽の瞳が傷ついたように一瞬揺らぐ。

「怒ってるわけじゃない。君のことを好きすぎておかしくなっただけだ」

 ……閉じ込めて、めちゃくちゃにしてしまいたい。泣かせてよがらせて欲しいと言わせたい。

「こんなに、愛してるのに」

 時々、美羽は、僕の心を察知する。

「いや、分かっている。だから……」

「私……潤哉さんがいてくれるなら、どんなことでも頑張れる。きっと、赤ちゃんが出来ても。だから、私のこと、たくさん愛して欲しいです。私も……たくさん愛したいです」

 予想しないような答えを並べられて、僕は自分の不甲斐無さに溜息が出た。悔しいから僕は、彼女をからかうように閉じ込めるだけ。



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