プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「ズルイ」
「だから、ズルイのは君の方だよ」

 こういう時だけ大人ぶって、私を子供扱いのようにする。
 覗きこんできた彼の表情は、やっぱり意地悪な顔をしていた。

「期待させて、しない。君がどんな行動に出るのか、それも楽しみだな」
「だから、ヘンタイって言われるんですよ」

「まだ言ってるのか。君、限定なんだから、いくらでもいいはずだろ?」
「ダメです。もう、のぼせるから……」

 あがろうとして抱きしめられ、濡れた唇が重なる。

 舌を差し込まれて、なめらかに舌を突かれるだけでゾクゾクして、薄く瞼を開いたままの彼が、ほら、と勝ち誇ったように舌を絡ませる。

 荒々しく瑞々しい音を立てながら、やがて……情熱に押されて。

「……お風呂は癒されるためにあるって言ったのに。うそつき」
「うそじゃない。こういうことする為でもある。両方必要なことだよ」


 潤哉さんは言って、私の中にゆっくりと入って奥まで求めた。
「……あっ」

 ぎゅっとしがみつきながら彼の荒々しく揺れる熱を受け止める。
 静寂だったバスルームの中に、甘い吐息と瑞々しい音が響き渡った。

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