プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
 君はいつでも、自分の幸せよりも、周りの幸せを考える……優しい子だった。

 僕はそんな君に癒されて、そして、君を幸せにするのは、絶対に僕でありたいと願った。

 幸せと笑う君が、どれほど愛しいか。
 言葉であらわすことが出来たら、どれほど楽なのだろう。

「……言ってる側からだけど、君を抱きたくなったよ」

 やさしく重ねるキスで、美羽がふっとくすぐったそうに笑う。可愛らしく唇を引きあげて、濡れた瞳で僕を見つめ返した。

「私も……どうしてだろう。ずっと、こうしていたい」

 肌の温もりや匂いが愛おしい。それは……ほんとうの意味で、愛することを憶えた証なのだと、僕は思う。


 ほんの些細な仕草さえ、胸の奥が熱くなるほど、君がいとおしくて。

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