プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「来月の休暇は、京都に行こうか」
「ほんと?」
「あぁ。プロジェクトも秋のコレクション迄いけば落ち着いてくる頃だろう。二人きりの旅行はいいよ。和食も恋しくなる頃だろうしね」
「それならミシェルにおススメした旅館がいいですよ」
「君に頼んでもいいかな?」
「はい。もちろんです」
美羽はすっかり乗り気になって、元気を取り戻したみたいだ。
僕の秘書として側で仕えてくれる美羽も、恋人として尽くしてくれる美羽も、妻として支えてくれる美羽も、どんな彼女も好きだ。
ゆっくりでいい。たくさんの顔を見せて欲しい。
今まで見たことのない表情や仕草も、知り得なかったことも、すべてを分かち合って。
二人なりの歩み方で、僕たちは始まったばかりなのだから。