プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
副社長に就いたのは……。
僕がロンドン支社を任されている間、ここで社長を務めていた市ヶ谷透《いちがや とおる》さんだったからだ。
それだけではない、彼は僕を育ててくれた人と言ってもいい。
彼のプライドを窺うと、待っていたといわんばかりに微笑みを湛えた。
「僕が志願したんだよ。あの頃、若かった君がどのくらいの手腕を持っているのかどうか。目の上のたんこぶが側にいるのは不服か?」
「正直やりづらいですが、上からの命令なら仕方ないですね」
「興味があるのは……秘書の子だけど」
顔色を変えるようにしたくはなかったが、彼の場合はビリー・ハウエル氏と違って、冗談のように聴こえないからだ。
僕がロンドン支社を任されている間、ここで社長を務めていた市ヶ谷透《いちがや とおる》さんだったからだ。
それだけではない、彼は僕を育ててくれた人と言ってもいい。
彼のプライドを窺うと、待っていたといわんばかりに微笑みを湛えた。
「僕が志願したんだよ。あの頃、若かった君がどのくらいの手腕を持っているのかどうか。目の上のたんこぶが側にいるのは不服か?」
「正直やりづらいですが、上からの命令なら仕方ないですね」
「興味があるのは……秘書の子だけど」
顔色を変えるようにしたくはなかったが、彼の場合はビリー・ハウエル氏と違って、冗談のように聴こえないからだ。