プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「私も……」

「本当の君だって、僕はあの時から気づいていた。試すように抱いてしまったけど……僕はちゃんと君を感じていた。今も……」

 あたたかな唇が、うなじに、耳に、触れ、彼の情熱の昂ぶりをなんとなく感じて恥ずかしくなると、艶っぽい声が再び耳を濡らした。

「……もう一度、君を感じたい」
「潤哉さん……」

「欲しくない?」
「まだ、任務が残っていますし」

「うん。だから……?」
「だ、だからって……」

 いつ出来ても構わないと潤哉さんは言ってくれた。けれど、私は彼を支えるって決めたから、途中で誰かに代わってしまうようなことは避けたかった。


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