プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「人が悪いです」
「……です」

 私はハッキリは言えなかったので、潤哉さんのエコーみたいになって、ますます市ヶ谷副社長を笑わせてしまったみたいだ。

「溺愛っぷりは健在みたいだね」
「愛妻家と言ってくれませんか」
「あぁ。羨ましいよ」

 ウインクまでされて、私は条件反射でドキッとする。

 潤哉さんとは全然違うタイプだけれど、サラッとした茶色の髪に年齢よりも若く見える甘いマスク。色んな女性を知っていそうな雰囲気。

 女子社員が色めきたっていたというのがよく分かる。

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