プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
「黒河社長がお断り……っていうんですけど、あまり犬猿の仲になってもらっても困るし、どうしたらいいと思いますか?」

 重役つき秘書でも、こういうとき相談に乗れるのは森重室長しかいない。彼のアドバイスはいつも的確でやさしい。

「子供じゃないんです。イヤだという気持ちは理解しますが、君は社長を甘く見てはいけませんよ。今後のことを考えたら、一度でもイエスを表明しておいたほうがやりやすいです」

「一度でもイエスを返したら、何度もこういうことありませんか?」

「それは私もきっちり管理させてもらいますから。今回は、やっと戻って来れたんです。副社長をたてることも必要でしょう」

「分かりました」

 私は森重室長に従うことにした。言う通り、潤哉さんは気持ちの問題であって、今回は仕方ないと折れてくれた。

 いつもの通り「不満は、夜に解消させて」と言っていた……。


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