天使の舞―前編―【完】
「シラサギ。
乃莉子を見張っていてくれ。」


「どちらへ?」


「ちょっとキャスパトレイユと、遊んでくる。」


イタズラっ子のような笑みをシラサギに向けてから、チラッと冷たい視線で乃莉子を見たアマネは、窓を開けると大きな翼を羽ばたかせ、悠々と舞い降りて行った。


「本当に飛べるんだ…。」


その優雅な姿を見て、乃莉子はつい言葉に出してしまったのだが、それよりも。


「っていうか!悠くん!?」


ベットから降りて、窓に駆け寄ろうとした乃莉子は、完璧にシラサギに阻止されて、近づく事を阻まれた。


乃莉子の言葉にシラサギは、眉間にシワを寄せて、怪訝な表情をしている。


両手を広げて乃莉子の行く手を阻み、シラサギは伺う様に声をかけた。


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